不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

 学園という閉鎖的な空間は、噂が広まるのも早い。既にエムリーが婚約破棄された事実は、周知のものだと言ってもいいだろう。
 ただ、それを指摘されるとは思っていなかった。デリケートな問題であるからだ。

「すみませんね。失礼なことはわかっています。しかしながら、あなたの耳に入れておきたいことがあるものですから」
「……マグナード様?」

 意外と失礼な人、私はマグナード様のことを一瞬だけそう思った。
 ただ、本人も失礼であることは自覚していたようだ。それはつまり、それでも言った理由があるということになる。
 故に私は、身構えることになった。もしかしたら、また私に関する悪い噂などが流れており、マグナード様はそれを知らせてくれようとしているのかもしれない。