不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

「もしかしたら、刷り込みなのかもしれないわね」
「刷り込み……ああ、確かに彼女が記憶を失って初めて会ったのは私ですね」
「右も左もわからなくなったあの子にとって、あなたの存在はとても心強いものだったのでしょうね。年が近いこともあるかもしれないけれど」
「なるほど……」

 お母様の理論は、納得できるものだった。
 状況的に、エムリーが私のことを慕うのは当然のことなのかもしれない。
 しかし、私としては少々複雑だった。あのエムリーに慕われるなんて、どう反応していいのかがわからない。

「あの子のことを頼めるかしら?」
「え、ええ、できる限りのことはしますが……」

 お母様の言葉に、私は頷くしかなかった。
 どうやら、この夏休みはゆっくり休めるという訳でもなさそうだ。私はこれからの困難に、眉を顰めるのだった。