不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

「お陰様で、早く終わりました。本当にありがとうございました、イルリア嬢」
「いえ、お役に立てたなら何よりです」

 掃除が終わってから、私はマグナード様と話していた。
 教室には、私と彼の二人きりである。故に必然的に、そうなってしまったのだ。
 本来であれば話す関係性ではないのだが、状況的に仕方ない。そんなことを思いながら、私は自分の言動に気をつけながら話をしていた。

「……そういえば、イルリア嬢は最近大変なようですね?」
「え?」
「正確に言えば、あなたの妹君が、というべきでしょうか? 婚約破棄されたとか」
「ああ……」

 そこでマグナード様は、エムリーのことに触れてきた。