不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

 クラスメイトではあるが、彼とはそんなに話したことがある訳ではない。
 貴族であっても、私と彼では地位にかなり差がある。故に関わり合うことがそれ程なかったのだ。
 正直、今でも緊張している。彼に対して滅多なことでも言ってしまったら、一家断絶さえもあり得るからだ。

「私に何かできることがあるならお手伝いしますが……」
「いいえ、これは僕の役目ですからね。ですが、お気遣いいただきありがとうございます」

 私からの提案を、マグナード様は笑顔で断ってきた。
 それ自体は、彼の優しさであるだろう。彼は本当に、私に煩わせたくないのだ。
 しかし状況的に、手伝わない方が私にとってはまずい。例え彼が不快に思わなかったとしても、他者に見られたら問題になる可能性がある。

「……ですが、そうですね。せっかくですから手伝ってもらいましょうか」