不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

「ちっ! くそがっ!」
「おい、大人しくしろ」
「痛っ……お、お前、少しは……」
「往生際の悪い奴だな……お前もああなりたいのか?」
「ひっ……!」

 しばらく暴れていたムドラス伯爵令息も、ブライト殿下が黙らせてくれた。
 彼に関しては、実の姉をこんな目に合わせているという観点から、ヴォルダン伯爵令息以上に恐ろしく思えた。
 いや理解できないという意味において、この二人に差をつけるというのも愚かな話だ。どちらにしても、理解できない化け物達である。

「ミレリア嬢、大丈夫ですからね。すぐに人が来ますから」
「はい……」

 エムリーやロダルト様、ナルネア嬢の時よりも、私は憤っていた。
 この化け物達には、厳正な裁きを下さなければならない。ミレリア嬢の体をそっと抱き止めながら、私はそんなことを思うのだった。