不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

「……あなたの意図が、それだけであるとは思えませんが」
「え?」

 そんな風に思っていた私に対して、マグナード様は鋭い目をしていた。
 それは、ロダルト様やナルネア嬢に向けていたものよりは柔らかいものだ。ただ、彼が目の前にいるミレリア嬢を完全に信頼していないということは、なんとなく理解できた。

「ミレリア嬢、全てをお話してください。その方があなたにとっても、いいでしょうから」
「……流石ですね、マグナード様」

 ミレリア嬢は、苦笑いを浮かべていた。
 つまり、彼女には何か隠していることがあるということなのだろう。
 ただ私は、ミレリア嬢が悪い人であるとは思えなかった。事情が隠れているとしても、それはきっと仕方ないことなのではないだろうか。