不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

 まあ少し経てば、この状況も改善されていくだろう。
 結局の所、貴族社会は生き残った者が認められる。今の状況は、勝者である私が一目置かれていると、捉えてもいいかもしれない。

「……イルリア嬢、少しよろしいでしょうか?」
「え?」

 そこで私は、少し驚くことになった。
 見慣れない令嬢に、話しかけられたからだ。
 彼女は一体、誰なのだろうか。このクラスの人ではないと思うのだが。

「な、なんですか?」
「あなたと少し話したいのです」

 その人物が発した言葉に、私は少し気が重くなった。
 また私に問題が降りかかってくるかもしれない。マグナード様と仲良くしていることへの嫉妬だったりするのだろうか。何にせよ、気が進まない。

「マグナード様も、よろしいでしょうか?」
「え? 僕もですか?」
「ええ、私はお二人と話したいのです」

 令嬢の言葉に、私とマグナード様は顔を見合わせることになった。
 私と彼と話したい。その提案は予想外である。一体彼女は何者で、何を考えているのだろうか。