不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

「忠告はしたはずですが、聞いてもらえなかったのですね。非常に残念です」
「ちゅ、忠告……」
「僕はあなたのことを敵であると認識しています。容赦するつもりはありません」
「い、嫌っ……」

 ナルネア嬢は、か細い声で怯えていた。
 あの威勢の良かった彼女が、今は見る影もない。彼女がこんなにもマグナード様に怯えるなんて、少し意外である。

 ただ、忠告というものの内容を私は知らない。もしかしたら、そこでとても恐ろしいことがあったのかもしれない。
 いやそうなると、そもそもナルネア嬢が私を詰めるのがおかしいだろうか。忠告の内容が怖いものだったなら、こんなことをする意味がない。
 なんというか、ナルネア嬢の行動がわからなくなってきた。まあその辺りは、後でマグナード様から色々と聞いてみればいいだけか。

「そんなに怯えないでもいいではありませんか。別にとって食おうという訳でもないのですから」
「ち、近寄らないで」
「ええ、これ以上近寄るつもりはありませんよ。ご安心ください」