半ば引きずられる形で連れて来られたのは駅前の大きなカフェで
日曜日ということもあり繁盛しているカフェは、オープンテラスまで人がたくさん
「雄太のやつ、どこだ?」
ただでさえ目立つコイツが、カフェに入るとキョロキョロ周りを見渡すもんだから、席にいる女の子たちからは黄色い声と、熱い視線
「ちょ、ちょっと桜庭、本当帰りたいんだけど…」
なんでこんな女連れてんの?とでもいいたげな視線が痛くて仕方ないんですけど……
繋がれたままの左手があたしの足を急かす
「ねえやっぱり居ないじゃん、もう帰ろうよ」
桜庭は一通りカフェを見渡したようだけど、神崎くんは見つからないようで
「電話鳴らしてみっか」