俺にしとけよ



乗り気じゃない桜庭の手を、今度はあたしが引っ張る


「ちょ、北条…」


「そこのミルクティー絶品だから!」


ズンズンと大股で歩くあたし


「あ、てか今初めてあたしの名前よんだね?」

 

「だっけ?」


「だよ!いつもお前、しか呼ばれた事ない」



思い返せば桜庭と、こんなにまともに会話したのも初めてじゃない?


「あたしの名前知ってたんだね」


皮肉めいてそう笑うと、俺様に知らねえ事はねえ。なんて上を行かれる



ちゃんと話してみたら、案外コイツいいやつかも