彼女、つくらないんだ……
あたしはこの日神崎くんに想いを伝えるとか、彼女になりたいとか、烏滸がましい気持ちに蓋をする事にした。
『やっぱ王子と桜庭くんは観賞用だよね〜、イケメンすぎて近づけない』
たしかに…ね、あたしなんかが好きって言ったって、神崎くんの心を揺らすのには、きっと頼りなさすぎる。
「りんね、ちゃんと聞いてる?」
「はっ、ごめんみいな、どこだっけ?」
妄想の世界に飛んでいたあたしは、みいなの怪訝そうな声で現実に引き戻されるとふたたび数学の教科書と睨めっこ
うーん、とか、わかんなーい、とか
ぶつぶついいながらもそうこうしているうちに阿部先生が入ってきて騒がしい教室が静かになる

