俺にしとけよ




「言ってくれんじゃねえか」


そこには、額に青筋をたてた桜庭…と


「………」


あたしたちの事なんて興味なさそうに静かに席に座る神崎くん



「な、なによ」


怒っている桜庭想にかろうじて返事はするものの、いちど見つめてしまったら囚われてしまったかのように、あたしの視線は神崎くんから外れない。



「お前、来週のテスト勝負しろ」



「来週?テストなんて…」


そう言って会話は桜庭としているものの、やっぱりあたしの瞳は神崎くんを捉えていて


てかこんな時期にテストなんてないでしょ、心の中で考える


「HRで言ってたろ、数学の小テストやるってよ」