「な、なーんてね…。これからよろしく桜庭くん」
えへへ、と無理して貼り付けた笑顔はここからじゃクラスメイトには見えないだろう
痛そうに眉間をさすっている桜庭に、そう言ったあたしは握手をさしだす
とにかく、この場をおさめるためには、冗談でした〜!がいちばんでしょ!
ない頭を必死に動かして、ムカつくコイツにヘラヘラと無理した笑顔
だけど期待していた返事はこなくて……
「……許さねぇ、怪力女」
「あ、あんたねぇ!!」
やっぱりまた注目の的になってしまう
それぞれの想いを胸に、高校最後の1年間は始まった。

