俺にしとけよ



新学期早々なんなのよコイツ…


「なぁ雄太、コイツ見てたよな?」


ちょっと神崎くんに振らないでよ!


「知らないよ」


ほら、全然興味なさそうじゃん!無駄に傷つけられた!サイアク!


「ま、どうでもいいか」


そっちから絡んできたくせに何その態度…!


「…らないんだよ、」


「あ?なんか言ったか?」


「こんなゴミ、いらないって言ってんのよ!」   


堪忍袋の尾が切れたあたしは、さっき机に置かれた紙切れをまるめると、桜庭の顔面に向けて思いっきり投げつけてやった



「いって、テメー…!」  


いつの間にかシン、と静まり返った教室に桜庭の声だけが響く


や、やば!やってしまった!


フル投球を終えたあたしは、みんなの注目の的になっていて慌ててその場に座る



待ってどうしよう、ここは教室、今日は新学期、斜め後ろには神崎くん


あまりにむかついて声を少し大きくしすぎた…の、かもしれない


と、とにかくこの場を収めなきゃ!