俺にしとけよ


「ねぇ、聞いてる?」


莉子ちゃんがそう言ってあたしの肩をトントン、と軽く叩く


…え、あたしの肩を?


神崎くんに喋りかけていると思っていたあたしは、勢いをつけて振り返る


「あ、あたし?」


「うん、よろしく」


凛音って呼んでいい?なんて小首をかしげる莉子ちゃんは、それだけで絵になるなぁ、と思うほどの美少女で


「も、もちろん」


そう返すのが精一杯だった



まさかあたしにも声をかけてくれるなんて、莉子ちゃんってばすごくいい子じゃない?


新学期特有のワクワクした気持ちも混ざって、なんだか気分が良くなる