俺にしとけよ


ドキドキ  


あたしが進むたびに近づく彼の姿


突っ伏している神崎くんは、寝てるのかな?


もしかしたら、窓側の奥の席を取りたくて早起きしてきたのかな?  


「凛音、はやくはやく」   


みいなのそんな声に急かされて、神崎くんの斜め前の席に座る


そっと、なるべく音を立てずに


あたしに気づいて欲しいけど欲しくない、見て欲しいけど欲しくない、そんな矛盾した気持ちで


廊下ですれ違った事もあるし、挨拶を数回交わした事だってあるけれど、すごく緊張して全神経を斜め後ろに集中させてしまう