愛とか恋とは、無縁だと思っていた。

寮に住むメリットは、学校へすぐつくところと、人間関係を深められることなんだけど……。

まあ、私と友情は無縁だけど。

はぁ、と短く息を吐き、食堂のテーブルの端に座る。

楽しそうに会話する生徒たちが羨ましい。

ぼんやりとそちらを見ていると、ひとつの女子グループが声を上げた。

「ねーねー、桜庭さんがこっち見てるよ」

「ほんとだ。私はあなたたちとは違いますって優越感に浸ってるのかな?ほんと性格悪いよねぇ」

くすくすいう嫌な笑い声に目を瞑る。

そんなことないのに……。

トーストと目玉焼き、ベーコンにサラダ、スープを食べ終えると私はすぐに寮を出た。

学校には既に溢れんばかりの生徒たちの姿。

実家から通っている組はつくのが早い。人だかりを通り抜け、校舎に入ると、まだ人はほとんどいなかった。

早くついているとはいえ、彼女らの目的は早く友達と話すこと。