「如月先輩、村井先輩と別れたらしいよ」

「え、村上先輩って……村井 春子先輩?」

「それ以外いないでしょ!別れちゃうなんて、ね」

「待って、これってチャンスじゃない?」

私の元にそんな知らせが舞い込んできたのは、高校2年生になったばかりの頃。

当然、私に友達なんかいないから、ほとんど盗み聞きのようか状態でその情報を受け取った。

如月先輩が、村井先輩と……?

嬉しさ半分、悲しさ半分だった。

そりゃあ、好きな人が彼女と別れたってことは、付き合うチャンスができるから嬉しい。

けど……。

正直、如月先輩と村井先輩のカップルは好きだった。

お似合いだし、ふたりとも幸せそうだった。

だからこそ、歯止めを効かさて、我慢することができてたんだけど……。

もうだめ、そう思った。