愛とか恋とは、無縁だと思っていた。

意識を取り戻したとき、私は口元に違和感を覚えた。

「っ……?」

瞼が重くて目は開かないけれど、確かに意識はある。

もしかして……酸素マスク?

やっとの思いで目を開けると、そこには白い空間か広がっていた。

「病院?」

は、と短く息を吐く。

そっか、私、あのまま……。

──ガラガラッ

扉が開いたかと思いきや、中に入ってきた如月先輩は大きく目を見開いて叫んだ。

「ちょ、おま…!?意識戻ったならナースコール押せよ!」

「ご、ごめんなさい……」

叱られてしまって思わず俯く。

如月先輩は深くため息を吐いて、私を見つめた。