愛とか恋とは、無縁だと思っていた。

すると、如月先輩が「おい」と私に声をかけた。

「はぁはぁっ……っ、なんですか……っ?ケホケホッ!」

「くそ、まともに話もできねぇ状態か……、今すぐ病院行くぞ」

「びょう、いん……?」

「喋んな!喘息の可能性がある」

息が苦しい。

だけど……綺麗な如月先輩の横顔が視界に入っているだけで少し楽な気がした。

如月先輩は、周りの女子生徒に声をかけている。

どうやら、私を運んでもらおうとしているらしい。

ひとりで歩けるのに……。

迷惑をかけたくなかった。めんどくさい女だと思われたくなかった。

またあのときみたいに、なっちゃう……!

だけど、私には抵抗する元気もなく、意識を手放した。