愛とか恋とは、無縁だと思っていた。

こんなひどい思いをするのはもう嫌。

ええい、言っちゃえ……!

「私、如月先輩のことがっ……!?」

そう言いかけた瞬間、全身の力が抜けて倒れ込んでしまった。

ひゅ……と思い出したように息を吸う。

苦しい……!

「ちょ、お前、大丈夫か!?」

心配して私の肩に手を添えてくれる如月先輩。

だけど、周りの女子生徒たちはやっぱりよく思っていないみたい。

「なにあの子……!」

「倒れ込んじゃって、超ぶりっ子」

「むかつくんですけどー!」

心無い言葉にますます息が苦しくなる。

ケホ、と力なく咳をする。

「はぁっ……、苦し……!」

ケホケホケホ、と連続で咳をする。

息を吸うたび、ひゅー、ゼーゼーと嫌な音がする。