中学校生活初日。
短い時間の間にも、いろいろなことがわかった。
南条くんは、イケメンなだけでなく、勉強もできるらしいこと。
初等部の頃はあまり学校に来ていなかったにもかかわらず、初等部からの持ちあがりの生徒が多いこの学園には、すでに南条くんのファンクラブが存在し、会員に許されているのは『遠くから眺めることのみ』で、それを犯す人間を厳しく取り締まっているのだとか!
こわっ。こんなの、お話の世界だけの話だと思ってたよ。
そして、『俺ら付き合うことになったから』なんていう南条くんの爆弾発言は、当然のようにその日のうちに全クラスにまで広まり、どこにいてもわたしは注目されることとなった。
「なんであんなウソをついたの⁉ 今すぐ取り消して!」
入学式が終わると、すぐさま南条くんをひと気のない場所に引っ張っていって文句を言う。
「どう考えたって、これが一番いい方法だと思うんだけど? これなら俺と一緒にいても、不審に思うヤツはいないだろ」
そ、それはそうかもだけど……。
「……って、不審すぎるよ! わたし、中学入学組だし、『どこで知り合ったの?』なんて聞かれたら、なんて答えればいいの? それに、わたしと南条くんじゃ、全然釣り合わないってば」
ふー、危ない、危ない。危うく南条くんの口車に乗せられるところだった。
「でも、もう言っちゃったし」
そ、それもそうだけど……。
「それに、依頼人の言うことは絶対、だよな?」
う……それもそうですけど……。
「ってことで、改めてよろしくな、俺の彼女役」
南条くんが、ニッと悪い笑みを浮かべる。



