恋愛をするということが分かって嬉しいのに、不安で怖くて、つい、宝生くんに聞いてしまった。
「リスクがあるなら、あっこは俺を好きじゃなくなるの?」
「……え」
一口だけ口を付けていたお弁当を、私の手から取り上げる宝生くん。そして、食べかけていたお弁当を美味しそうに食べ始めた。
宝生くんを好きじゃなくなったら、この気持ちは無かったことになるんだろうか。
やっと、今まで知り得なかったことが気持ちを分かることができて、宝生くんも私と同じ気持ちだと言ってくれているのに。
イヤだ。
宝生くんが他の誰かを好きになるなんて耐えられない。
この気持ちを失いたくない。
「この気持ちを大切にしたい、ずっと宝生くんの横にいたい……」



