「私、その……好きとか分からなくて」
「俺は、あっこをつい、目で追ってしまうし、目が合ったら嬉しいし、胸が締め付けられる。もっと言えば話したいし、意識されたい。俺以外の男と親しくしてほしくない」
「わ……私も。宝生くんを無意識で目で追っちゃう。目が合ったらドキドキする。他の女子にモテてほしくないし、ずっとこの時間を大切にしてたい……だけど、苦しい。この気持ちがずっとモヤモヤ渦巻いてて、苦しいの」
「それは俺も同じ。けど、あっこがいるから学校に行こうと思える」
「…………うん」
まるで心がシンクロしているようで、宝生くんも私と同じ気持ちなんだと思うと嬉しくなる。
苦しくて、でも、幸せなこの気持ちを分かってくれて、嬉しくてたまらなくて涙が出た。



