宝生くんと屋上でお弁当をつついた日から一週間。あの日から変わったことがある。
休み時間と昼休みに教室を出ていた宝生くん。
今は昼休みに出るだけになった。まだ休んだりするけれど、遅刻や早退も以前に増してぐんと減った。
宝生くんがいる教室と、いない教室じゃ、安心感が全然違う。宝生くんがいてくれるなら一人じゃないと思える。
教室で喋ったりするわけじゃないけれど、以前とはあきらかに私を気に掛けてくれていることが分かる。
そんななか、文化祭の準備が始まろうとしていた。出し物は射的やヨーヨー救いなど、お祭りのようなミニゲームができる催しものだ。
形から、と、看板で作る道具を買いに任された私は、さっそく学校終わりに近所の文房具屋さんに立ち寄った。
けれど、肝心の、どれを買えばいいのか分からない。
紙を教室に置いてきてしまった。



