拓実が救急隊員の男性にそう告げた言葉。
救急隊が肯定しないうちに、凛とした声が割って入った。
その懐かしい声に、こんな事態だというのに顔がほころんだ。
「まったくもう、貴女たちは。
大事な日に仕事する気?
私が行くから、理名ちゃんと拓実くんは、早く行きなさい!
主役の新郎新婦がいなくてどうするの!?」
車を運転していた看護師とは、凛さんだった。
彼女は、亡くなった私の母と同じ病院で働いていた看護師の女性だ。
挙式の招待状を送ったら、彼女からいの先に電話が来た。
『生きていたら参列できたはずの私の両親の代わりに、私の晴れ姿を焼き付けたい』
そう言ってくれたのに。
私にとっては、もう1人の母親くらいの存在だ。
「凛さんは俺たちと行きましょう。
栗沢先輩、スタッフがごっそり抜けるのも良くないから少し病院に行く、って言ってましたよ?
その後に挙式会場に直行するとのことです。
あとは、栗沢先輩に任せましょう。
急ぐので、凛さんも早く乗ってください」
拓実はそう言って、私を助手席に、凛さんを後部座席に乗せた車を運転し始めた。
救急隊が肯定しないうちに、凛とした声が割って入った。
その懐かしい声に、こんな事態だというのに顔がほころんだ。
「まったくもう、貴女たちは。
大事な日に仕事する気?
私が行くから、理名ちゃんと拓実くんは、早く行きなさい!
主役の新郎新婦がいなくてどうするの!?」
車を運転していた看護師とは、凛さんだった。
彼女は、亡くなった私の母と同じ病院で働いていた看護師の女性だ。
挙式の招待状を送ったら、彼女からいの先に電話が来た。
『生きていたら参列できたはずの私の両親の代わりに、私の晴れ姿を焼き付けたい』
そう言ってくれたのに。
私にとっては、もう1人の母親くらいの存在だ。
「凛さんは俺たちと行きましょう。
栗沢先輩、スタッフがごっそり抜けるのも良くないから少し病院に行く、って言ってましたよ?
その後に挙式会場に直行するとのことです。
あとは、栗沢先輩に任せましょう。
急ぐので、凛さんも早く乗ってください」
拓実はそう言って、私を助手席に、凛さんを後部座席に乗せた車を運転し始めた。



