桜記念日

式は形式だけのチャペルでの挙式の後、皆で食事会の形式にした。

忙しい医師の仕事の合間を縫って作ったプロフィールムービーだけは最初に流した。

私の父が大事にアルバムにしてくれていた、束の間の岩崎家3人の写真はふんだんに使用した。

こんな家族に、なっていきたいな。

なれるだろうか。

いや、ならなければいけない。

それが、空の上にいる両親への一番の供養だろう。

久しぶりに会う人たちにも、そうでない人たちにも、心置きなく楽しい時間を過ごしてほしくて、この形式にした。

皆、各々話し込んで楽しく過ごしてくれている。


美冬や深月、椎菜は、既に母親という役割を担っている。

そんな中でも、皆が集まると一瞬で学生の頃に戻ったみたいな雰囲気になる。


美冬(みふゆ)賢人(けんと)くんの娘の美香(みか)ちゃんも、もう4歳。

深月の娘、深明(みあ)ちゃん。
椎菜の娘、麗菜(れいな)ちゃん。

彼女たちも、もう2歳だという。

時の流れは早いなぁ、と感じる。

ウェディングケーキ入刀も終わり、桜が八分咲きのガーデンでの写真撮影も無事に終わった。

いよいよ、手紙を読むときがやってきた。