教室にて。

「天羅」

「なんだ?」

「この曲歌いてぇんだけど、どう思う」

「お!いいんじゃないのか」

「なら、決まりだな」


俺は、天羅と打ち解けていた。


「なになに〜?2人とも、どんな関係ですか〜?」

「こんな、朝ぱらからイチャイチャか?」

「んなわけ、ねぇだろ。次の歌い決めてたんだ。なぁ?天羅」

「あ?あぁ」

「どうした?天羅」

「なんでもねぇよ」

「そうか」

「悩み事あるなら言えよ?」

「溝野」

「ん?」

「ちょっと、来てくれねぇか?話がある」

「あぁ。あ、お前らダンスの練習しとけよー」

「はいはい」

「いってらー」


誰も居ない空き教室に呼び出された。

「話ってなんだっ……」

え、

「……おま、」

今……天羅にき、キス……された?

「俺、溝野のことが好きなんだ。アイドルの仲間の関係じゃもの足りねぇんだ。わがままだとわ俺自身思ってる。でも_______ッ」

チュッ

「お返し」

「!」

天羅は、口元を手で隠した。

「俺も天羅のことが好きだ」

「溝野」


俺と天羅は、お互いにハグをした。

2人の間に甘い時間が流れる。


隠れて見ていた3人。

千歳(ちとせ)、岸田(きした)、瀬良(せら)は、微笑んだ。



「……お前ら、ここで何をしている」

俺は仁王立ちで3人を見下ろしていた。

3人はその場から走って逃げた。

笑いながら。


「たく、アイツらは」


ボン

「ん?」

「ごめん、溝野くん……」

「?!天羅?!」

「魔法が溶けちゃった見たい……汗」

「……どうして……」

「私たちの言い伝えでは、〝愛された者の姫は元の姿に戻ってしまう〟らしいの」

「本当か……それ?」

「……うん。黙っててごめんなさい」

「要するに、俺たちは運命の人」

「そう……なるのかも」

「天羅お嬢様、お手を」

天羅は、俺の手をとった。

「はじめまして、お嬢様。そして、ようこそ俺の元に」

「え!溝野くん、本当の吸血鬼だったの?!」

「黙っててごめん( ̄▽ ̄;)親にも、メンバーにも言うなって言われてて……校長にもな。だからお愛顧だ。さぁ、姫。私に甘い血を」

チク

俺は、天羅お嬢様の首筋に牙を立てた。

ちゅー


「甘い」

これぞ、求めていた血の味。


ー……永遠の愛をここに誓おうか……ー




❦ℯꫛᎴ❧