たっくんと日向ちゃんの写真を撮りまくった、私と吉野くん。
できることならいつまでも撮り続けたかったけど、たっくんと日向ちゃんが早く遊びたいって言いだしたから、写真撮影はそこで中断。全員で園内を回ることにした。
今日の主役はたっくんと日向ちゃんだから、どこに行くかは二人の希望優先。
小さい子でも乗れるアトラクションを中心に回って、今は汽車の形をした子ども用のトロッココースターに乗っている。
そして私と吉野くんは、そこでも次々に写真を撮り、見せ合っていた。
「この、木馬にしがみついてるのなんてどう?」
「いいな。俺の中では、コーヒーカップのベストショットはこれだと思うんだが、どうだ?」
「あっ、これいい! 私のスマホにも送って!」
こんな感じで、どの写真がいいか、そしてたっくんや日向ちゃんがいかに可愛いかを、延々話し続けてる。
だけどそんな私たちを見て、お姉ちゃんが言う。
「あなたたち。写真撮るのに夢中になるのもいいけど、少しは自分の乗りたいもの言ってもいいんじゃないの? まだほとんど何も乗ってないじゃない」
「えっ?」
確かに。
って言うのも、たっくんや日向ちゃんが乗るのは、ほとんどが小さい子向けのやつ。
中学生の私たちが乗るにはちょっと恥ずかしくて、ほとんど外から見てるだけだった。
でも私も吉野くんも、それが嫌ってわけじゃない。
「今日の私は、付き添いみたいなものでしょ。それに、二人の写真撮ってるだけで楽しいから」
「俺は日向の保護者だから。ちゃんとついていないといけないし、自分が乗るなんて考えてなかったな」
だから、このままで全然問題なし。
と思ったんだけど、お姉ちゃんや正夫さんは、どうにも気になってるみたい。
「けど二人は二人で、もう少し楽しんでもいいんだよ。知世ちゃんは、普段巧の面倒を見てもらってるお礼がしてくて誘ったんだから」
うーん、そういえばそうだっけ。
もちろん私は今も十分楽しんでるけど、自分の行きたいところに行って遊ぶのも、それはそれで楽しいと思う。
じゃあ、吉野くんはどうなのかな?
「吉野くんも、日向ちゃんの面倒は、少しくらいなら僕たちが見るから」
「けど俺がいなかったら、日向が寂しがるかもしれないし……」
するとちょうどそのタイミングでトロッココースターが終わって、たっくんと日向ちゃんが降りてくる。
そしたら日向ちゃん。なぜか吉野くんじゃなくて、お姉ちゃんに駆け寄っていった。
「日向ちゃん、楽しかった?」
「うん! 汽車がガタゴト言ってて、ぐるーんって回ってたの!」
「おぉっ。すごいすごい!」
「それでね、それでね──」
日向ちゃんは、トロッココースターが面白かったのはもちろん、それをお姉ちゃんに話すのが楽しくてしかたないって感じ。
お姉ちゃんが笑顔で聞くのを見て、ますます喋り続ける。
「なんていうか、すごい懐きようだね」
「そうだな」
これなら、少しの間吉野くんが離れても、寂しがることはないかも。
お姉ちゃんや正夫さんもそう思ったみたいで、改めて吉野くんに聞いてきた。
「日向ちゃん、しばらくなら私たちが面倒見てなんとかなりそうだけど、どうする?」
吉野くんは、すぐには何も答えない。
日向ちゃんの保護者のつもりで来たから、急に言われてもどうすればいいのかわからないのかも。
するとお姉ちゃん。吉野くんの側によって、小さい声で何か囁く。
「えっ────?」
「というわけなの。頼まれてくれない?」
なんて言ったの?
気になったけど、声が小さくてわからない。
それから吉野くんは、日向ちゃんのそばでしゃがみ込んで、言う。
「日向。兄ちゃん、少しの間いなくなるけど、いい子にしていられるか?」
さらにお姉ちゃんが、遊園地のパンフレットを見せてそれに続く。
「お兄ちゃんが帰ってくるまで、私たちと一緒に回ろうか。次はどこに行きたい?」
日向ちゃんは最初キョトンとしたけど、パンフレットを見て、すぐに興味が移ったみたい。
「観覧車! それにお化け屋敷! あっ、たっくんはどこがいい?」
「僕、ミラーハウス!」
たっくんと一緒に、次の場所を選ぶ日向ちゃん。それを見て、吉野くんは安心したように息をついた。
「兄ちゃんがいなくても、ちゃんといい子にしてるんだぞ。ワガママ言ったらダメだからな」
「はーい」
そうして吉野くんは、私のところにやって来る。
「というわけで、しばらくの間俺は俺でみんなとは別に回るつもりだけど、お前はどうする?」
「えっと、それじゃあ、私もそうしようかな」
お姉ちゃんが吉野くんに何を言ったのかは知らないけど、吉野くんが別行動するなら、私もそうしよう。
「じゃあ、行くか」
「うん。お姉ちゃん、行ってくるね」
そうして私たちは、お姉ちゃんたちと別れて歩き出す。
だけど、そこで気づく。
これってもしかして、吉野くんと二人きりで遊園地を回るってこと!?
できることならいつまでも撮り続けたかったけど、たっくんと日向ちゃんが早く遊びたいって言いだしたから、写真撮影はそこで中断。全員で園内を回ることにした。
今日の主役はたっくんと日向ちゃんだから、どこに行くかは二人の希望優先。
小さい子でも乗れるアトラクションを中心に回って、今は汽車の形をした子ども用のトロッココースターに乗っている。
そして私と吉野くんは、そこでも次々に写真を撮り、見せ合っていた。
「この、木馬にしがみついてるのなんてどう?」
「いいな。俺の中では、コーヒーカップのベストショットはこれだと思うんだが、どうだ?」
「あっ、これいい! 私のスマホにも送って!」
こんな感じで、どの写真がいいか、そしてたっくんや日向ちゃんがいかに可愛いかを、延々話し続けてる。
だけどそんな私たちを見て、お姉ちゃんが言う。
「あなたたち。写真撮るのに夢中になるのもいいけど、少しは自分の乗りたいもの言ってもいいんじゃないの? まだほとんど何も乗ってないじゃない」
「えっ?」
確かに。
って言うのも、たっくんや日向ちゃんが乗るのは、ほとんどが小さい子向けのやつ。
中学生の私たちが乗るにはちょっと恥ずかしくて、ほとんど外から見てるだけだった。
でも私も吉野くんも、それが嫌ってわけじゃない。
「今日の私は、付き添いみたいなものでしょ。それに、二人の写真撮ってるだけで楽しいから」
「俺は日向の保護者だから。ちゃんとついていないといけないし、自分が乗るなんて考えてなかったな」
だから、このままで全然問題なし。
と思ったんだけど、お姉ちゃんや正夫さんは、どうにも気になってるみたい。
「けど二人は二人で、もう少し楽しんでもいいんだよ。知世ちゃんは、普段巧の面倒を見てもらってるお礼がしてくて誘ったんだから」
うーん、そういえばそうだっけ。
もちろん私は今も十分楽しんでるけど、自分の行きたいところに行って遊ぶのも、それはそれで楽しいと思う。
じゃあ、吉野くんはどうなのかな?
「吉野くんも、日向ちゃんの面倒は、少しくらいなら僕たちが見るから」
「けど俺がいなかったら、日向が寂しがるかもしれないし……」
するとちょうどそのタイミングでトロッココースターが終わって、たっくんと日向ちゃんが降りてくる。
そしたら日向ちゃん。なぜか吉野くんじゃなくて、お姉ちゃんに駆け寄っていった。
「日向ちゃん、楽しかった?」
「うん! 汽車がガタゴト言ってて、ぐるーんって回ってたの!」
「おぉっ。すごいすごい!」
「それでね、それでね──」
日向ちゃんは、トロッココースターが面白かったのはもちろん、それをお姉ちゃんに話すのが楽しくてしかたないって感じ。
お姉ちゃんが笑顔で聞くのを見て、ますます喋り続ける。
「なんていうか、すごい懐きようだね」
「そうだな」
これなら、少しの間吉野くんが離れても、寂しがることはないかも。
お姉ちゃんや正夫さんもそう思ったみたいで、改めて吉野くんに聞いてきた。
「日向ちゃん、しばらくなら私たちが面倒見てなんとかなりそうだけど、どうする?」
吉野くんは、すぐには何も答えない。
日向ちゃんの保護者のつもりで来たから、急に言われてもどうすればいいのかわからないのかも。
するとお姉ちゃん。吉野くんの側によって、小さい声で何か囁く。
「えっ────?」
「というわけなの。頼まれてくれない?」
なんて言ったの?
気になったけど、声が小さくてわからない。
それから吉野くんは、日向ちゃんのそばでしゃがみ込んで、言う。
「日向。兄ちゃん、少しの間いなくなるけど、いい子にしていられるか?」
さらにお姉ちゃんが、遊園地のパンフレットを見せてそれに続く。
「お兄ちゃんが帰ってくるまで、私たちと一緒に回ろうか。次はどこに行きたい?」
日向ちゃんは最初キョトンとしたけど、パンフレットを見て、すぐに興味が移ったみたい。
「観覧車! それにお化け屋敷! あっ、たっくんはどこがいい?」
「僕、ミラーハウス!」
たっくんと一緒に、次の場所を選ぶ日向ちゃん。それを見て、吉野くんは安心したように息をついた。
「兄ちゃんがいなくても、ちゃんといい子にしてるんだぞ。ワガママ言ったらダメだからな」
「はーい」
そうして吉野くんは、私のところにやって来る。
「というわけで、しばらくの間俺は俺でみんなとは別に回るつもりだけど、お前はどうする?」
「えっと、それじゃあ、私もそうしようかな」
お姉ちゃんが吉野くんに何を言ったのかは知らないけど、吉野くんが別行動するなら、私もそうしよう。
「じゃあ、行くか」
「うん。お姉ちゃん、行ってくるね」
そうして私たちは、お姉ちゃんたちと別れて歩き出す。
だけど、そこで気づく。
これってもしかして、吉野くんと二人きりで遊園地を回るってこと!?


