「…全部私のせいなの。ごめんね、山崎くんにまで迷惑かけて…」



山崎くんはきょとんと首を傾げると「なんで?」と疑問を投げかけてきた。



「迷惑じゃないよ。俺らももう友達だろ?」


「え…?」


「萩原さんは知らないだろうけど、莉央ちゃんは萩原さんが思っている以上に萩原さんのこと大切にしているよ。憧れていた人とやっと会えて、今では大事な友達になったんだって本当に嬉しそうに話してくれたんだよ。あの素直になることが苦手な莉央ちゃんが、真っ直ぐな気持ちを出してて少し妬いたくらい。それほど莉央ちゃんが大切に想っている友達なんだから、もう俺にとっても友達と一緒だよ」



山崎くんがにっと八重歯を見せて笑った。



「だから、悩んでることとか思うことがあるなら、いつでも言ってよな。友達なんだから、力になりたいと思うのは普通のことだろ?」



…そうか、私は大切なことに気づいていなかったんだ。


話を聞こうとしてくれていた高城さんを避け続けて、きっと傷つけたに違いない。


弱い自分を見せることが怖くて、嫌われたくなくて逃げていたけどそれじゃダメなんだ。