だけどそれからしばらく、フラッシュバックは続いた。  
 大和さんにそばにいてもらっているのに、目を閉じると、やはり思い出してしまっていた。

「いやぁ……!!」

「美結、落ち着け! 大丈夫だから!」

 そんな私をいつも身体全体で受け止めてくれたのは、大和さんだった。

「ごめんなさい……。ごめんなさい……」

 フラッシュバックするたびに、私は泣いた。 そして頭を抱えていた。

「美結、俺がそばにいる!ここには猛はいないから!」
 
 こうやって宥めないとならない私を、大和さんはどう思っているのか、私には分からなかった。

「大和さ……ごめんなさい……」

「もう大丈夫だ。……俺がいる。俺がお前を守ってやるから。だから安心しろ」

 大和さんの言葉を聞くと、だんだん落ち着いてくるのが自分でも分かる。

「大和……さん……」

「……落ち着いたか?」

「はい……。すみません」

 私はずっと、猛に囚われている。……ここから抜け出すことなんて出来ない。
  目を閉じると思い出してしまうんだ。猛のあの表情を、あの怒りを……。

 ここに来て三ヶ月。私は普通の生活が送るのが怖いんだ。
 外に出られないし、何も出来ない……。

「迷惑かけて……すみません」

「気にするなって言ったろ」

  でも大和さんは優しいから、私をこうしていつも守ってくれる。
  そばにいて、優しく声をかけてくれる。 それなのに私はーーー。