時は夕暮れから夜へと移り。
侍女のユリアナを理由を作って部屋から出したミルドレッドは、密かに部屋を出て邸の裏門へと向かった。
そこには既にサリーが立っていて、彼女の姿を認めると、小さく手招きをした。
「遅いじゃない、もう外で待機してるのよ」
「ユリアナが側から離れなくて。
食欲が無いから貴女特製のスープを作って欲しいと頼んだの」
「特製スープを作れなんて命令出来るの、良いご身分ねぇ」
まだサリーには、専属の侍女は付いていない。
自分が居なくなれば、それはユリアナかもしれないし、他の誰かになるのかもしれない。
無責任だと責められようとも、もうそれはミルドレッドには関係がない。
ここへはもう戻らないとサリーに言ったのだ。
口にしてしまった言葉は戻らない。
ミルドレッドは出てきた邸を振り返ると、心の中で頭を下げた。
そして上から羽織っていたマントの首元を合わせ、足早に裏門を通り抜けようとして。
サリーに腕を取られた。
夜の闇の暗さに慣れ始めたミルドレッドの目には、彼女が笑っているのが分かる。
「結局、ミルドレッド様って後から来た女なのよねぇ」
「……何?」
侍女のユリアナを理由を作って部屋から出したミルドレッドは、密かに部屋を出て邸の裏門へと向かった。
そこには既にサリーが立っていて、彼女の姿を認めると、小さく手招きをした。
「遅いじゃない、もう外で待機してるのよ」
「ユリアナが側から離れなくて。
食欲が無いから貴女特製のスープを作って欲しいと頼んだの」
「特製スープを作れなんて命令出来るの、良いご身分ねぇ」
まだサリーには、専属の侍女は付いていない。
自分が居なくなれば、それはユリアナかもしれないし、他の誰かになるのかもしれない。
無責任だと責められようとも、もうそれはミルドレッドには関係がない。
ここへはもう戻らないとサリーに言ったのだ。
口にしてしまった言葉は戻らない。
ミルドレッドは出てきた邸を振り返ると、心の中で頭を下げた。
そして上から羽織っていたマントの首元を合わせ、足早に裏門を通り抜けようとして。
サリーに腕を取られた。
夜の闇の暗さに慣れ始めたミルドレッドの目には、彼女が笑っているのが分かる。
「結局、ミルドレッド様って後から来た女なのよねぇ」
「……何?」



