「じ、じいちゃぁあああん……!」
「おおおっ……ジュニア!? どうしたぁ!?」

 ガサガサと茂みを掻き分けて、見知った顔が飛び出してくる。
 マンチカン伯爵家のジュニアだ。

「た、たいへん……たいへんなんだよぉお!!」

 よほど慌てて走ってきたのだろう。
 衣服はヨレヨレで汗だくになった彼は、マンチカン伯爵、オリバー、そして最後にウィリアムの顔をまじまじと凝視したかと思ったら……


「イ、イヴさんが──決闘に行ってしまいましたぁ!!」


「「「──は!?」」」


 とんでもない知らせを届けたのだった。