大陸の西に位置するアンドルフ王国。
 その王宮一階大階段脇にて、コーヒー専門店『カフェ・フォルコ』は本日もコーヒーのいい香りを漂わせている。
 カウンターの奥で客を迎えるのは、コーヒー色の瞳をした可愛らしい店長代理──

「じろじろ見ていないで、さっさと注文してくれる?」

 ではなく、愛想の欠片もない男だった。