「ウィリアム様──好きです。キスしてください」
「ぶっ……!?」
口をつけていたブラックコーヒーを吹きかけて、ゲホゲホと盛大にむせるのは、今をときめくアンドルフ王国の第一王子ウィリアム。
そして、カウンター越しに手を伸ばしてその背をさするのが、彼をそう至らしめた張本人『カフェ・フォルコ』の店長代理イヴである。
「イ、イヴ……なんだって……?」
「えっと、ですから、好きです。キスしてください、と……」
ウィリアムがおそるおそる涙目で見下ろすも、イヴの顔には照れも恥じらいも浮かんでいない。
彼女の表情とセリフがいっこうに釣り合わないことでピンときたウィリアムは、隣でカップを傾けている人物を睨みつけた。
「ぶっ……!?」
口をつけていたブラックコーヒーを吹きかけて、ゲホゲホと盛大にむせるのは、今をときめくアンドルフ王国の第一王子ウィリアム。
そして、カウンター越しに手を伸ばしてその背をさするのが、彼をそう至らしめた張本人『カフェ・フォルコ』の店長代理イヴである。
「イ、イヴ……なんだって……?」
「えっと、ですから、好きです。キスしてください、と……」
ウィリアムがおそるおそる涙目で見下ろすも、イヴの顔には照れも恥じらいも浮かんでいない。
彼女の表情とセリフがいっこうに釣り合わないことでピンときたウィリアムは、隣でカップを傾けている人物を睨みつけた。