「よくよく考えたら……将官の皆さんも全員、あの現場に……」
「居合わせておりましたね」
「つまり私は、会議室にいる全員にすっぽんぽんを晒した可能性が……」
「ございますね」

 衝撃の事実に、私はたまらず頭を抱えた。

「は、はずかしすぎるーっ! これからどんな顔をしてお茶を淹れに行けばいいのっ!?」
『気にするな、珠子。我やきょうだいなんて、四六時中すっぽんぽんじゃぞ』

 ネコがなんの慰めにもならないことを言う。
 そのふさふさの毛に、私が真っ赤になった顔を埋めようとした時だった。

「──タマコ嬢、子ネコさん達をお返しします!」
「えっ……?」

 メルさんが、戯れついていた子ネコ達を私の腕に戻してきた。
 彼女はさらに、私とネコ達を近くの柱の陰に押し込んでしまう。

「メ、メルさん? 何事ですか!?」
「申し訳ありません、タマコ嬢! どうか少しだけ隠れていてください!」

 メルさんの鬼気迫る表情に、私は戸惑いつつも言われた通りに身を潜める。
 その直後、聞こえてきたのは壮年の男性の、冷ややかな声だった。

 
「──メル、こんなところで何をしている」