恋愛ベタな二人の、とある夜



私の家の最寄り駅から二駅となり。

そこから10分くらい歩いたところに律が一人暮らししているアパートがある。

お酒を買い込んだエコバッグを抱えてインターホンを押す。

私だとバレたら開けてもらえなさそうなので、ドアの覗き穴は指で塞いでおいた。



ガチャと開いた玄関から顔を覗かせる。


「は?」

「来ちゃった」

私を認識するなり、ゲ。という表情をした律は「来ちゃったじゃねぇよ」と文句を言いつつも部屋に入れてくれた。


「おじゃまします」

フラれる度にこうしてヤケ酒に付き合ってもらう。
これも友達だから出来る特権だと思う。


「お前、俺が女の子連れ込んでる時だったらどうすんの」

「えー?いないじゃん」

「いないけど。今日は。たまたま」

「そうなの?じゃあラッキーだ」

「…うぜー」

律はスウェットで、お風呂上がりなのか髪は少し湿っている。

程よく清潔感があって、程よく散らかってる律の部屋は居心地がいい。

私はソファの前のローテーブルに買ってきたお酒を全て並べた。