「あの、俐月くん! ひとつ提案があって!」 「……なに」 梅雨に突入した六月。 近頃、毎日の雨で低気圧にやられてる俐月くんは、ちょっと不機嫌そう。 「この前、助けてもらったお礼がしたくて! えっと、お礼としてなんでもするので遠慮なく言ってほしいなって!」 「羽瑠さー、俺がこの前言ったこともう忘れた?」 「え?」 「記憶失ってんの、それとも危機感ないただの鈍感ちゃんなの?」 なんか今日の俐月くん毒舌……。 梅雨パワー、おそるべし。