次の日の朝。

 私は離宮から帰る馬車で、そのまま城へと向かうジョサイアを見送った。何故かというと、モーベット侯爵邸にまで、仕事が待っているからと使者がやって来ていたからだ。

 忙しなく出発する彼を見ていると、のんびり過ごしたのは私だけだったみたいで、なんだか心が痛む。

 そして、一人残された私がこれから向かうところと言えば……そう、港街シュラハトだ。私はまだジョサイアには彼女への気持ちが残っていることを知り、オフィーリア様に自ら会いに行くことにした。

 すべてのはじまりは、彼女が逃げたから、私たち二人は結婚することになった。