心がきゅんする契約結婚~貴方の(君の)元婚約者って、一体どんな人だったんですか?~

 姉にじろりと睨まれても、アメデオは悪気なく涼しい表情のまま軽く肩を竦めた。

「えー。姉さん、わからない? だって、これはあの男に対し、一番良い復讐方法なんだよ。結婚相手のモーベット侯爵は、次期宰相で王の従兄弟。しかも、社交界では女性に人気な美形侯爵だ。この話を聞けば、あの馬鹿男はハンカチ噛んで悔しがると思うよ。僕はそれを賭けても良い」

 本人でもないのに自信満々に言い切ったアメデオを見て、私は呆れて息をついた。

「……それはどうかしら。どうせ私のことなんて、今頃、綺麗さっぱり忘れていると思うけど」

 あれだけ毛嫌いしていたんだから、私のことなんてどうでも良いと思っているに決まっている。

「はははっ……姉さんって、誰かが何か言えば、その言葉の通りの意味だと受け取ってしまうところが、本当に可愛いよね」

「……どういう意味なの?」

「そのままの意味だよ。それより、事業のことはどうするの? 一応姉さんから言われた通りに、管理はしてるけど……こうして無事に結婚出来たんだから、もう良いんじゃない?」