心がきゅんする契約結婚~貴方の(君の)元婚約者って、一体どんな人だったんですか?~

 これは私の実家がというよりヘイズ公爵家御用達、つまりアストリッド叔母様のお気に入り、良く連れられてドレスを作ってもらう高級なメゾンがあった。

 気心が知れているし、私のデザインの好みもわかって貰えているので、仕上がりだって信頼出来るし確実だ。なんなら、ついこの前に、そのメゾンでデイドレスを作ったところなので、各サイズだって測り直さずに良いくらいだ。

「しかし、一店だけでは、二週間後の夜会には間に合わないのでは?」

 私はジョサイアが真剣な表情で切り出した言葉の意味を、すぐには理解することが出来ず、頭の中には疑問符が飛び交った。

 ……え? ジョサイアは、何を言っているの?

 一店だけでは……? ええ。ドレスを一着を作るのならば、それは一店で良いわよね。

「……? いいえ。ジョサイア。私がいつも頼んでいるメゾンは、急ぎで頼めば十日あれば作って貰えるけど……」

 もちろん、あまり見ないような凝ったデザインならば、それは難しいだろうけど、私は元々装飾少なくですっきりとしたデザインが好きなので、何の問題はないはすだ。