心がきゅんする契約結婚~貴方の(君の)元婚約者って、一体どんな人だったんですか?~

 どうやら、私たち二人はお互いに勘違いをしていたようだ。

「あ……ごめんなさい。あれは、そういう意味だったのね! けど、私……王家のお針子室でなんて、ドレスを頼めないわ。ジョサイア。貴方は国王の従兄弟だからあそこを使用することを許されているけど、本来ならば王家と貴族の服には明確に違いがあるのよ」

 君主である王家は手に入る最高級のものを着用し、それより目立つような華美なものは、臣下の私たちが着用することは許されない。

 だから、王家が常に最高級で流行の最先端をいくような豪華な服を着用しているというのは、私たち貴族だって選択の幅が広がるし助かることではあるのだ。

 もし、国庫が財政難になり彼らが質素な格好を選べば、私たちだって王族に習ってそうするだろう。

「いいえ。すみません。これは僕が気が利かなかった。レニエラ、すぐに執事に流行りのメゾンを調べさせます」

「ああ。ジョサイア。気にしないで。いつも頼んでいるメゾンがあるので、そこで頼むわ」