「そうなの! お前なんか俺以外に結婚してくれる奴なんて居ないって言われすぎてしまったせいで、私なんかと……という気持ちになっていたけど、今では彼が自分を優位に見せたかっただけの嘘だって理解している。けど、私は何回も言われ過ぎたせいで、そうかもしれないって心のどこかでは思うようになっていた」

「本当に許しがたいな……あの男」

「嘘だって教えてくれたのは、ジョサイアだった。本当にありがとう。私のことを好きになってくれて……」

 それは、まぎれもなく心からの私の気持ちだった。

 ジョサイアが泣いていた私のことを気にしてくれるようになり、奇跡的に好きになってくれたのも、今のこの気持ちを味わうためだったと思えるくらい……。

「レニエラ……ああ。そうでした。覚えています?」

 ジョサイアがまた顔を赤らめたので、私は何を言い出したのだろうと思った。

「何かしら?」

「昼も夜も求められて大変……なんでしたっけ? 聞いている人も多かったので、噂もすぐに広まるでしょうね」

 そういえば、ジョサイアの背後には多くの兵士がいた……私ったら、本当になんてことをしたの!

「待って。ジョサイア! ……本当にごめんなさい。私ったら……つい、見栄をはりたくて、あんなこと」

「良いですよ。別に……本当にすれば、良いことなので」

 彼の顔が間近に近付いたので、二度目の私は心得たように瞼を閉じた。