だって、それが当たり前のことだとは、思いたくないもの。

「そうやって甘やかされると、あんまり良くないと思うわ。オフィーリア様に、言われたことを忘れたの?」

 元婚約者を散々に甘やかした結果、どうなったかは知っての通りだ。私がそう言うとジョサイアは、苦笑して頷いた。

「オフィーリアは、僕が彼女と向き合わないから、あの我が儘を言っていたことを知ったのは、彼女が既に逃げてしまってからの置き手紙でなんだ……本当に、彼女には悪いことをしたとは思っている」

「オフィーリア様は、あそこまで切羽詰まって追い詰められた状況なら、ジョサイアは私へ動くかも知れないって……そう言ってました。私との恋の橋渡しを、してくれたみたいですよ。ジョサイアの元婚約者は、素敵な人ですね」

「そうですね……君の元婚約者は、真逆に許しがたいな。あそこまで……」

 ジョサイアは皆まで言わなかったけど、怒りの表情が見えて彼が何を言いたいかわかった。

 ……ええ。わかるわ。私もそれはショーンと無関係になったと言えど、思ってしまうもの。