心がきゅんする契約結婚~貴方の(君の)元婚約者って、一体どんな人だったんですか?~

 ここは、オフィーリア様の言葉を借りようと思う。「けど、それって、私には関係ないもの」不機嫌を盾に言うことを聞かせようだなんて、今時の幼い子どもの方がしっかりしているわよ。

 私はそこで、違和感に気がついた。

 ……あら? 揺れてもいないし、轍の音もしないわ。

「それでは、僕の隣はいかがですか?」

 私はいきなり聞こえたその声を聞いて、そちらへ視線を向けた。

「ジョサイア! 来てくれたのね!」

 信じられないけど、そこに居たのは、私がショーンの馬車に乗り込んだことなど知るはずもないジョサイアだった。

 仕事場からそのまま来たのか、登城用の貴族服だったけど、いつも通りに素敵な夫だった。

「ええ……会話が白熱していたので、なかなか口を挟むことが出来ず……失礼しました」

 扉から身体を乗り出したジョサイアの後ろには、何人かわからないけど物々しく武装した様子の兵士たち。私は彼らがここに居る理由がわからずに、首を捻るしかない。

「え。ジョサイア……どこから、聞いていたの?」

 まさか、あの話は聞かれていないわよね? と私が確認すると、ジョサイアは苦笑して言った。