ふふっと微笑んだ揶揄うような私の言葉に、なんてことはないと言いたげにアメデオは肩を竦めた。

「別に良いよ。僕が一番に、モーベット侯爵へ姉さんが嫁げたことを喜んでいるんだ。姉さんが幸せになり、僕だって文官として出世する時には、大きな後ろ盾なる存在を手に入れた……うん。一石二鳥だね」

 満足げに微笑んだ弟に、私は苦笑した。

「まあ。ちゃっかりしているわね。アメデオ」

「もちろん。一番の願いは姉さんが幸せになることだからね! あとは、ショーンが辺境にでも追放されたら一番なんだけどなー……まあ、この程度では、さすがに無理だろうけどさ」

 口が上手なアメデオが、そう言ったので、私は隣に居たジョサイアに目を向けたんだけど、彼は何か深刻そうな顔で考え込んでいるようだったので不思議になり首を傾げた。