「……まず、最初に言っておくけど、ジョサイアは私の事なんか、好きじゃないわ。向けられる感情を強いて言うと、無関心よ。婚約者の役目を果たしている人形とでも思って居たんじゃないかしら」

「えっ……なんで、そんな酷いことを言うんですか……あんなにも、大事にされていて……」

 彼女はジョサイアと婚約していた間、ずっと贅沢をさせて貰っていたはずだ。それなのに、そんな言い方……。

「何もわかってないわね。レニエラ様。なんでも言いなりになる男なんて、私の事を愛していないわ。本当に愛してくれている人は、言わなければならないことを、私にちゃんと言ってくれる男よ。贅沢させて甘やかされるだけなんて、まるで飼い猫じゃない。そんな愛され方を望むのなら、話すこともないわ。だって、何にでも肯定しか返さないのなら、そもそも話す意味がないでしょう?」

「っ……それは、確かに……そうですが」

 なんだかとても怒っている様子のオフィーリア様に、たじたじになってしまい何を言うべきか迷った。

 ここまでで一番に良くわからないのが、ジョサイアがなんで、私のことを好きなことになっているの……? 少し前まで、彼は彼女と愛し合っていたはずなのに。

「私も彼が好きではないわ。ジョサイアは私とは違うところを、いつも見ていたもの。そんな男、こっちから願い下げよ」

 私の心の中の疑問を見透かすように、オフィーリア様はそうキッパリと言った。