「🌷は、俺以外から話しかけられないもんな」
突然だった。確かに、いつも彼から声をかけてくれる。私も🌱の話を無視せず笑顔で応えていた。だから、ポロッとでた言葉であると思う。それが、私の傷つく言葉とは考えなかったんだだろう。
小さい頃から、人付き合いが苦手で、友達と思える人が少ないのは事実だ。だからといって、話しかけられない訳ではないし、その場面に🌱がいないだけの話であって、そこまで言われる筋合いはない。だから、🌱を無視することにした。
「お〜い、🌷。あのアニメ見たか?」
『…』
別の日
「🌷、髪型似合ってるな」
『…』
このように、🌱から声をかけられても無視する日々が続いた。
数日後
「ちょっと来い」
急に私の腕を掴んで、空き教室に連れて行かれた。
さすがに、突然の状況に無視することもできず、
『はぁ〜、痛いんだけど』
腕をずっと掴まれてたため、放すように求めた。
「イヤだ」
『はあ!?』
「また🌷、無視するじゃん」
完全に拗ねた言い方だった。こいつ、自分が言ったこと忘れているのか?
『別に、わざわざ話しかけてくれなくていいから』
「え?」
『"🌱以外からも話しかけられるから"』
その言葉を聞いた瞬間、🌱の顔が青ざめた。
「🌷、頼むから無視しないでくれ」
ここまで必死になった🌱を見た事がなくて、逆に驚いてしまった。
『そんな必死になること?他にも友達いるでしょ』
「そうだけど、そうじゃなくて、」
私は、何が言いたいのか全くわからず、首を傾げた。
「🌷は、俺の話をずっと聞いてくれるし、いつも笑顔だから、こっちまで笑顔になるっていうか…
その、🌷に無視されると、心が苦しくなるし、他のやつと話してるの見ると悔しくて。」
これは、もしかして・・・
「俺は!」
『友達に戻りたいってことね』
「え?」
『本当は許すつもりなかったけど、ここまで必死にされたら、許すしかないじゃない』
こんなに必死に私を必要としてくれるなんて、思っていなかった。恥ずかしいけど、嬉しいと思ってしまう。これからも、友達として仲良くしよう、そう心に決めた。
でも、🌱は複雑そうな顔をしていたような気がするけど、まぁいっかな。

『🌱、これからも(友達として)よろしくね』
「あぁ、よろしく」

それから、毎日、声をかけてくれるようになった。以前は、そこまでだったのにだ。一体何があったんだろう。考えても仕方ないよね。
「おーい、話聞いてるか」
『もちろん』
きっと私は、ものすごく笑顔になっている。だって、この時間が大好きだから。


🌿目線
"「🌷は、俺以外から話しかけられないもんな」"
これは、周りを牽制するためだった。誰にも🌷を取られたくなかったから。でも、その言葉に🌷が傷ついてるなんて考えもしなかった。
「よしっ、これからは🌷を傷つけずにそれから男として意識してもらって、いづれは…」
【恋人になりたいとか?】
「うわっ!?驚かすなよ❄️」
【わるい悪い、🌱の反応は面白くてさ。・・・で、本気なの?】
❄️の言葉が急に鋭くなった。でも、俺の気持ちは本気だ。
「あぁ、本気だ。もう二度と🌷を失わないためにも」
その言葉を聞いた途端、いつもの柔らかな雰囲気に戻った。
【うん、それならいいんだ。彼らに目をつけられない為にも】
「彼ら?」
【🌷の幼馴染だよ。誰かは知られていないんだけどね。】
「そんなにヤバいのか?」
【あぁ、🌷の幸せを壊そうとすると、あらゆる手を使って止めるんだって】
「マジ!?」
【まぁ、噂だけどね。でも、気をつけるに越したことはないだろ】
「そ、そうだな。忠告ありがとな」
【あぁ、友達だからな】
心の中では、🌷とこのままだったら、彼らに何かされていたかもと、怯えてしまった。でも、これからは🌷を大切にする、絶対だ。改めて心に誓った。

❄️目線
【よかった、🌱が🌷のこと諦めず、仲直りしてくれて】
《じゃなかったら、俺らがあいつに何倍もの苦痛を与える予定だったからな》
【🍁、やめろよ。誰かに聞かれたらどうすんだ】
[そうね、影ながら🌷を守る。これが、私たちの役割なんだから]
{🌼の言う通り、🍁気をつけてね}
《はいはい、わかったよ。だから、そんな怒んなよ🌸》
これが、僕を含めた🌷の幼馴染。全員、初めから🌷と仲が良かった訳ではない。🌷に心を見破られたもの、嫉妬したもの、いじめたもの、そして、憧れたもの。みんなバラバラなキッカケで関わりを持っていた。
だからなのか、たまに🌷に誘われてお泊まり会をしている。高校生になった今でもな。
《おい🌷、本当に大丈夫なのか。🌱が嫌なら、今からでも》
『大丈夫だよ。あんなに必要とされたのって、初めてだし』
🌷は笑顔で、とても嬉しそうだった。
[聞き捨てならないわね。私だって、🌷のこと必要としてるのに]
{あんなに嫉妬してたのにね。ふふっ}
[🌸だって、心見破られて、怒ってたじゃない]
【まぁまぁ、🌸も🌼も落ち着いて】
[{ヘタレは黙ってて}]
その言葉は、僕の胸に刺さった。
『ちょっと、🌸🌼!!』
🌷の背後に怒りのオーラが溢れていた。
『二人とも、言葉は時に刃物にもなるの!!わかってる!?』
🌸も🌼も正座して、シュンとしていた。
「いいよ、🌷。二人とも悪気はなかったんだし」
すると、僕に近づいて、抱きしめてくれた。
『無理しなくていいから、辛いなら辛いって言ってね』
🌷は、誰に対しても優しくて、僕にとっての憧れなんだ。
【ありがとう、🌷】
そう言いながら、ぼくの手を🌷の背中にまわした。
《はあ!!お前だけズルい。🌷、俺も抱きしめてよ》
[いじめてた奴が何言ってんだか]
《それは、昔の話だろうが!!》
[なによ、私とやろうっていうの?]
《その気なら買うぜ》
二人がバチバチしている隙に、🌸が🌷の後ろから抱きしめていた。
{バックハグもいいですね}
『そう?』
ケンカの中心になっている🌷は、ポカンっとしていた。それが、🌷らしいと言えば、らしいのだが。
『ん?❄️どうかしたの?急に笑って』
【いえ、こういう日もたまにはいいかなって】
『なにそれ、ふふっ』
やっぱり、🌷には笑顔が似合う。
絶対、この笑顔を守らないと、その為には何でもしないとな。もちろん、法に触れない程度にね。