キーンコーンカーンコーン♪




ざわついた廊下にチャイムが鳴り響く。




静かになるわけでもない形式的なチャイム。




今日はどんな顔して彼と会えばいいんだろう。




接点も特になく、ただただ好きだった。




そんなことを考えていたらSHRが始まっていた。




「このプリントの期限は絶対に守るようにー。」





先生の声がこの教室にやけに響く。





『進路希望調査』




受験生が嫌いなもの。




でもあたしは書くことに迷いなんかない。




『第一志望校:日本社会福祉大学 社会福祉学科』




あたしは将来社会福祉関係の仕事につく。




これからの時代、AIに取られずある程度の収入がある。




そして学費が安い。




だから選んだ職業と大学。




あたしの人生つまんないなあ。




「おはよう美南」




声をかけてきたのは結由。




一年のときからクラスが同じで名字も一緒。




好きな音楽も似てて、性格も似てる。




なんだかんだ言って一番仲良しの親友。




英語が得意な結由はいつも単語帳を片手に英検の勉強をしている。




「おはよう結由」




「元気ないじゃんなんかあった?」




さすがに結由にはばれるか、、




「あいつにデート断わられた。いみわかんない理由つけられて」




「え!?」




「だからもういいんだ。今は自分磨き頑張る!」