【 愛理:side 】



───ジーン…



マジでおでこが割れちゃうかと思った。


てか、冗談にしては痛すぎる。


「痛いってば! 大事な彼女に本気で頭突きをするなんて聞いたことがないよっ」


額に次第に伝わってくる痛みを手で押さえていると


「お前がわりぃんだよ!早くしろっ!」


口ではこんな冷たいことを言いながら、陸はあたしの頭のてっぺんを優しく手でポンッと触れる。


こんな些細な彼の行動の1つ1つに、あたしはドキドキしてしまう。


「あっ 待ってよぉ~!あたしも一緒に行く」